昨年の大震災で、津波により流されてしまった酒蔵があります。
福島県、浪江町にある鈴木酒造店さん。
その後も原発の問題で退去命令が下され、
その地を離れなければならない事態が起きてしまいました。
そんな中、酒造りへの思いを諦めず、
今後の蔵再開の参考にと全国の蔵を回られていました。
そして、私たちの蔵にも訪ねて来られました。
あの時は驚きました。
現在は浪江町から山形県長井市で酒造りを再開され、
再開一年を無事に迎えられたとのことで、
様々な思いを形にされたこのお酒が届きました。
酒造りは、毎年の米の出来、気候と様々な影響を受け
どんなに熟練しても「これで完璧」という造りはありません。
全く新しい風土、水、米での酒造りの苦難は、
どんなに大きかったことでしょうか。
故郷である浪江町と、現在の故郷となった長井市を、
前向きに捉えていると十分感じるお酒でした。
私たちが四季醸造蔵へと蔵を改装し、
新しい酒造りをスタートさせてから6年。
未だに挫けそうな時があるというのに、
心にガツンと来ました。
私たちもしっかりと、前を向いていたいと思います。
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