ブンコに賞状が届きました
杜氏就任後、タンク2本目のチャレンジだった、わかむすめBunbun 。
世界最大規模のワイン品評会「IWC(インターナショナルワインチャレンジ)」。
“世界でもっとも大きな影響力をもつ”といわれるワインのコンテスト。
そのコンテストのSAKE部門、純米吟醸酒の部でブロンズメダルに輝きました
大したことない賞かもしれない。
この賞を受賞された蔵は、日本中にたくさんある。
だけど、嬉しいのです。
私たちの蔵は、夫婦ふたりきりの蔵。
どうみても廃墟みたいなボロい蔵。
最新式の設備だとか、すごいものなんかない。
これまで隙間風が入るところを段ボールでふさいでふさいで、
屋根も落ちてきそうだった麹室が、ようやく3月に修繕された。
そんな蔵。
酒造方法もとてもクラシカルなスタイル。
すぐに結果を求められ、即席、合理的なものが素晴らしいとされる現代。
時に、「地道にコツコツ」を積み重ねていく姿は、無様でダサい。
時代にそぐわないかもしれない。
けれど、本来何かが育っていくには時間がかかるものだ。
ビジネスの側面だけを見たら、これは大問題である。
それでも、私は私なりの醸造哲学を持って、
答えのない答えを追い求め、努力を積み重ねて行きたいと思う。
日本酒は、麹菌と酵母というふたつの゛生き物゛がつくり出す奇跡のような酒。
どんなに数値を追い求めても、
磨かれた人の感性でしかわからない、生き物たちの機微がある。
酒は、育てていくもの。
人もまた、育てられるもの。
私はこれからも無様な姿を晒しながら生きていくのだ。
ただ、どんな時も微生物たちは美しく、ピュアである。
手をかければ、応えてくれる。
そこに裏切りや、打算などない。
上手く行かなかった時は、
必ず育て方が悪いか、育てた人間が悪いのだ。
そういう、生き物たちと向き合える酒造りが、私は好きです。
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