夜の酒蔵。

この酒蔵が建っている地域は、「市」と呼ばれています。

佐波川上流で、最も早くから開けた土地だという。

 

馬の最終駅であり、酒、魚、農機具などの商いをする路上の市がたったそうです。

次第に常設の店が軒を連ねたと言います。

 

江戸時代から明治の始めには、

木賃宿、酒造場、醤油工場、菓子製造、豆腐屋、鍛冶屋、石屋、

殆どのものが揃っていたらしいですが、明治の終わりごろから衰退していったようです。

 

賑やかに栄えていた時代を知る、この酒蔵。

 

いったい今、何を思ってますか?

 

夜の製麹作業の後は、いつも問うてみるのですが、

シーンと静まり返っています。

 

老朽化も激しく傷んでおり、説明しなければここが酒蔵だとわかる人はいません。

 

それでも、どうにかして守ってあげたい。

もう一度、活き活きとさせてあげたい、と思います。