11月7日、イイオンナの日。

私にとって、生涯忘れられない日となった。

 

~宇部日報より~

 

「いつか自分で自分の酒を醸してみたい」

そんな夢を抱いて14年。

 

この日、自分で設計し、醸した酒をとうとうお披露目できることとなった。

 

今日までの道程は、語りつくせぬ涙の日々があった。

こうして公の場に自分をさらけ出すことには、とてつもない覚悟と勇気が要った。

 

だけどもう、廃業寸前にもなって、失うものなど何もなくなった。

 

人の目なんてどうでも良いほどがむしゃらに生きて、

やりたいこと全部やって、

できること全部やって、

 

何者にもとらわれることなく、自分を生きて、

それでもダメなら本望と思おう。

 

母とはこうあるべき。

嫁とはこうあるべき。

妻とはこうあるべき。

 

誰かの、何かの「こうあるべき」に

いつの間にか自分を見失い、

どこに向かって歩いてるのかもわからなくなった。

 

そうして立ち止まって考えてみた時、

自分の足で歩いてるこの道は、誰かが切り拓いてくれたわけじゃない。

自分で切り拓いて来たのだ。

そのことに気が付いた。

 

人は皆、自分の道なき道を歩むんだ。

 

この道が正しかったのかどうか、迷うこともあるし、

どうしてここへ来てしまったのかと後悔することもある。

 

それでもやっぱり、人は歩み続ける。

 

その先に、きっと道は拓けると信じて。